【目次】

  1. マーケットのセグメンテーションに使う用語
    1-1. 〇〇層
    1-2. 〇〇志向
    1-3. ボリュームゾーン、ニッチ
    1-4. カニバリ


  2. 意思決定プロセスに使う用語
    2-1. ブレスト
    2-2. 分析
    ・ プロコン、コレスポンデンス分析、SWOT分析
    2-3. 業務フロー
    ・ 外注する、内製する
  3. 広告の議論やプレゼンに使う用語
    3-1. 交通広告
    ・ 広告枠、ドア横広告、中吊り広告、ラッピング広告、デジタルサイネージ
    3-2. デジタルマーケティング
    ・ バナー広告、リスティング広告、コンバージョン率、アシストコンバージョン、口コミ、バズる、リーチ

この記事では、プロジェクトチームにマーケティング以外の部門の外国人社員がチームメンバーとして参加していると思ってください。
マーケティング畑の人にしか伝わらない専門用語はなるべく避けて、誰にでも伝わるコミュニケーションを心がけましょう。
どうしても使わなければならない時は、略語やカタカナ語ではなく、初めて聞いたとしてもすぐに意味が理解できる英語を使いましょう。

1. マーケットのセグメンテーションに使う用語


多くの企業が市場の動向を読みとるためにマーケットのセグメンテーションを行っているはずです。ここではセグメンテーションをする際に使う用語の英語を見て行きましょう。

1-1. 〇〇層

顧客層の話をしたい時は、「〇〇層」のことを英語で「____ segment」と呼びます。
アパレル企業の顧客層の例を図で表したので、これを元にいくつか例文を見て行きましょう。
各フレーズをきちんと反復練習しておけば解けるクイズも用意したので、挑戦してみてください。

◆We need to do something to raise sales from the Trendy-casual segment in order to win in the next summer season.

今度の夏シーズンで勝つためにはトレンディー・カジュアル層の売上を上げるためになにか手を打たなければなりません。



◆The Basic-casual segment generates steady sales.

ベーシック・カジュアル層からは安定した売上があります。



◆We shouldn’t invest too much in the Trendy-formal segment because demand is low in the summer time.

夏はトレンディー・フォーマル層の需要期ではないので、予算の投入は控えた方がいいです。



◆We can expect strong sales from the Basic-formal segment.

ベーシック・フォーマル層からは高い売上が見込めます。



◆Our target segment for the next winter campaign will be the Formal-trendy segment.

次の冬のキャンペーンのターゲット層はフォーマル・トレンディー層になります。



<Quiz 1>
「春シーズンは需要期なので、ベーシックフォーマル層に投資すれば高い売上が見込めます」と言いたいとします。どう伝えますか?
解答例を聴くには音声を再生してください。


1-2. 〇〇志向


消費者や法人顧客を購買傾向によって区分けする際に、「〇〇志向」と総称して呼ぶことがあります。
英語では「____-oriented」や「____-conscious」、「____ end」など多様な呼び方をします。
価格帯による例文をいくつか見てみましょう。


◆As you may know, we are a brand-oriented business and therefore we really need to be extra careful when we consider lowering our prices.

ご存知のように、私たちはブランド志向のビジネスを展開する企業ですから、価格を下げる検討をする際には細心の注意を払わなければなりません。



◆Most of our customers are not cost-conscious so I think we should consider focusing our energy on increasing value, not cutting prices.

我々の顧客の多くはコスト意識は高くないので、検討すべきは価値の向上への注力であり、低価格化ではないと思います。



◆Consumers in the low end market tend to favor this product, while consumers in the high end market hardly ever buy it.

低価格志向の消費者に好まれる傾向にある一方で、高級志向の消費者にはほとんど売れない商品です。



◆One thing we found out through research was that we hadn’t targeted health-conscious consumers.

調査によって判明したことの一つとして、健康志向の消費者に訴求してこなかったことがわかりました。



<Quiz 2>
「高級志向の消費者にはこれまで訴求してこなかったので、今後検討するべきだと思っています」と言いたいとします。どう伝えますか?
解答例を聴くには音声を再生してください。


1-3. ボリュームゾーン、ニッチ

最も売れる層である「ボリュームゾーン(和製英語)」のことを英語では「the largest market (segment)」というとわかりやすいです。
もし二番目に大きな顧客層と言いたい場合は、「the second largest market (segment)」、三番目に大きな層は「the third largest market (segment)」と表現することができるので、便利です。
また、隙間市場は「niche market」と言います。

そして価格帯によってマーケットを分ける場合、低価格帯を「low end」、中価格帯を「middle price range」、高価格帯を「high end」と表します。
これらを使った例文をいくつか見てみましょう。

◆The middle price range is our largest market segment. However it is starting to shrink.

中価格帯が我々のボリュームゾーンです。ただし縮小し始めています。



◆We would like to target the low end market, which is our second largest market segment.

二番目に大きな顧客層であるトレンディー・カジュアル層に訴求したいと思います。



◆Our premium market is certainly a niche market, but we cannot ignore it.

我々の高級市場はたしかにニッチなマーケットですが、無視はできません。



<Quiz 3>
「これまでボリュームゾーンである低価格志向の消費者にしか訴求してきませんでした」と言いたいとします。どう伝えますか?
解答例を聴くには音声を再生してください。


1-4. カニバリ


新しいブランドや商品が自社の既存のものと売上を奪い合ってしまう現象をカニバリゼーション、日本語では略してカニバリと呼びます。
英語では名詞である「cannibalization」と動詞である「cannibalize」を正しく使い分けましょう。
いくつか例を見てみましょう。

◆Cannibalization may occur if we don’t differentiate our new brand in terms of price and quality.

我々の新しいブランドを価格と質において明確に差別化しなければ、カニバリが起こるかもしれません。



◆Our research results imply that our low end products and our products in the middle price range cannibalize each other.

調査結果から、我々の低価格帯と中価格帯の商品は互いに売上を食い合っていることが推察されます。



<Quiz 4>
「調査結果から、我々の新ブランドのローンチによるカニバリは起こらないことが推察されます」と言いたいとします。どう伝えますか?
解答例を聴くには音声を再生してください。


2. 意思決定プロセスに使う用語


マーケティング担当者の方は様々な角度から市場の分析や商品・広告の訴求方法などを考え、ディスカッションしなくてはならないはず。
意思決定プロセスの中で使用される用語の正しい使い方を確認しましょう。

2-1. ブレスト

多数の参加者からアイディアを自由に出してもらう会議方式をブレストと言いますが、もちろん略語で、英語では名詞の場合は「brainstorming」、動詞の場合は「brainstorm」と言います。
また、ブレストによってできあがる図のことをマインドマップと言いますが、これは英語でも同じです。
これらを使用した例文をいくつか見てみましょう。


◆Let’s try to brainstorm ideas on how to maximize customer satisfaction.

お客様満足度を最大化する方法をブレストしましょう。



◆I will share this mind map with the members who couldn’t attend today.

今日参加できなかったメンバーにこのマインドマップを共有しておきます。



<Quiz 5>
「売上の高め方についてブレストした時にできたマインドマップがこちらです」と言いたいとします。どう伝えますか?
解答例を聴くには音声を再生してください。


2-2. 分析


色々なタイプの分析方法がありますが、代表的なものとして、長所と短所を挙げるプロコン(pros and cons)、複数のアイテムの相違の度合いを図式化するコレスポンデンス分析(correspondence analysis)、企業の強み・弱み・機会・脅威を挙げるSWOT分析(SWOT analysis)を英語の会話の中で使う例を見てみましょう。


◆Why don’t we spend the next ten minutes or so listing pros and cons of our new strategy?

これから10分ほど使ってプロコンを挙げて行きましょう。



◆We did a correspondence analysis to sort out all our competitors and their positions.

コレスポンデンス分析にて競合の市場ポジションを整理しました。



◆In our SWOT analysis, we reconfirmed that the current market condition is an opportunity for us.

現在の市場の状態が我々にとって好機であることをSWOT分析により再認識しました。



<Quiz 6>
「我々と競合他社の市場ポジションを整理するために、コレスポンデンス分析してみましょう」と言いたいとします。どう伝えますか?
解答例を聴くには音声を再生してください。


2-3. 業務フロー


制作物作成の業務を誰がやるのかなどを話し合う時に、内製する(make in-house)か外注する(contract out)か決めなければなりません。
これらの用語を使った例文を見てみましょう。


◆We always contract out our ad design to an ad agency called Kinsey.

広告のデザインはいつもキンジーという広告代理店に外注しています。



◆We decided to make our new webpages in-house, in order to reduce cost.

コスト削減のために新しいウェブページを内製することにしました。



<Quiz 7>
「コピーライティングは外注しますか?それとも内製しますか?」と言いたいとします。どう伝えますか?
解答例を聴くには音声を再生してください。


3. 広告の議論やプレゼンに使う用語


電車広告やウェブ広告の話をする時に気をつけなくてはいけないのが、マーケティングの分野にも専門用語が多く、他部署の人には通じないことがあることです。
日本語で使う専門用語がたとえ英語でも同じであっても、専門外の人と話す時は誰にでもわかる言葉に言い換えましょう。

3-1. 交通広告


交通広告と一言で言っても、広告枠(advertising space)の種類は様々です。

しかも、電車の中吊り広告など海外では一般的でない広告媒体の話を外国人の同僚や上司にするとなると、どうやったら通じるか考えなくてはなりません。
以下の例文は全て、誰にでも通じる英語表現になっています。


◆We have an advertising space reserved for ourselves all year round on the Toyoko line.

東横線に通年で押さえている広告枠があります。



◆How about buying a door-side advertising space on the Higashiyama line?

東山線のドア横広告枠を押さえるのはいかがでしょう。



◆Another option is to try investing in hung poster advertising on a train.

他の選択肢としては、電車の中吊り広告に出稿してみることです。



◆There is an ad agency that’s proposing fairly affordable wrap advertising on a bus. Are you interested?

ある広告代理店がバスのラッピング広告を提案していますが、ご興味ありますか?



◆We have data implying that the electronic billboard advertising we did last year was very effective.

昨年行ったデジタルサイネージへの出稿が効果的であったことを示すデータがあります。



<Quiz 8>
「御堂筋線の中吊り広告に出稿してみるのはいかがでしょう」と言いたいとします。どう伝えますか?
解答例を聴くには音声を再生してください。


3-2. デジタルマーケティング


日々進化し続け新しい用語も生まれ続けている、ウェブサイトのリニューアルや改善などのデジタルマーケティング施策の話を他分野の人にする時、困ることもあると思います。
マーケティング用語の全てを網羅することはできませんが、基本的なものを使った例文をいくつか見てみましょう。

一点補足として、ウェブでの配信数やSNSでの閲覧者数のことを指す「リーチ」ですが、デジタルマーケティングの分野では英語でそのまま reach と言えば理解されますが、そうでない人に向けて話す場合は exposure と表現した方がピンときます。


◆The running cost for banner ads is indeed high but we can expect a constant in-flow of visitors into our website.

バナー広告の運営費は確かに高いですが、ウェブサイトへの流入を常に一定量見込めます。



◆We spend approximately 2,000,000 yen on keyword advertising annually.

リスティング広告に年間およそ2百万円かけています。



◆For our company blog, conversion is defined as membership registration. The conversion rate is currently 0.7%.

公式ブログのコンバージョンの定義はメンバー登録です。現在のコンバージョン率は0.7%です。



◆On average, there are 200 assisted conversions from our company blog every month.

公式ブログからは毎月平均200件のアシストコンバージョンがあります。



◆It seems like product awareness is going up by word of mouth on social media.

SNSでの口コミによって商品の認知度が上がってきているようです。



◆Our recent blog entry is creating buzz among techies.

最近投稿したブログ記事が技術者の間でバズっているようです。



◆The Facebook ad we launched last week achieved an exposure of 700,000 viewers.

先週打ったフェイスブック広告は70万人にリーチしました。



<Quiz 9>
「SNSを始めることで少なくとも年間500件のアシストコンバージョンが見込めます」と言いたいとします。どう伝えますか?
解答例を聴くには音声を再生してください。

 


* * * * *

いかがでしたか?
外部にも内部にも上手くコミュニケーションを取れれば、きっと、もっと円滑に仕事が進むはず。
ここでご紹介した例文を参考に、是非英語での伝え方を工夫してみてください。

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