「英語のスピーキングって独学できるの？」
「効果的なスピーキングの勉強法が知りたい」
「音読ってスピーキングに効果的って本当？」
みなさんは、このような悩みや疑問をお持ちではないですか？
「正しく」音読をすれば、英語のスピーキング力アップにつながります。
「正しい」英語の音読方法とは何でしょうか？
この記事では英語の音読に期待できる効果、正しい英語音読のやり方と注意点、そして学習レベル別におすすめの英語音読教材を紹介します。
最後まで読めば、効果的かつ効率的な英語音読ができるようになるでしょう。
英語音読には、下記の3つのメリットがあります。
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
英語の音読を習慣づけると、文字と音を紐づけることが可能になります。
つまり、手本となる英語音声を聞くことで、音声の変化やイントネーションといった「発音」に対する意識が高まるので、正しい英語の発音ができるようになるのです。
英語をマスターするためには、「単語・イディオム」「発音」そして「文法」のインプットが必要です。
しかし、知識を身につけるだけではまだまだ十分ではありません。インプットした知識を、口に出してアウトプットすることで、自分のものになっていきます。
このような知識のアウトプットのトレーニングは、スピーキング力を上げるのには必要不可欠です。
あなたは、“We are going to play tennis this weekend.”と聞いた際に、「私たちは」「〜するつもりだ」「テニスを」「今週末」と日本語に変換していませんか？
多くの日本人が、聞き取った英語を日本語に訳したり、日本語から英語に変換します。
しかし、このような方法だと、どうしても時間がかかってしまうため、スムーズなコミュニケーションを取ることが難しくなるでしょう。
これを解決するためには英語音読が最もおすすめです。英語を英語のままで理解するための思考回路を作ることができます。
つづいて、「正しい」英語音読のやり方についてご紹介します。
「音読」と聞くと、ひたすら英文を読み上げればいいと考える方がいるかもしれませんが、これは間違っています。
「正しい」やり方で、英語音読をしないと全く効果がありません。
正しい英語の音読方法のステップは以下のとおりです。
Step1: 音声だけを聞く
Step 2: スクリプトを確認して分からない単語や表現の意味を確認する
Step 3: 英文の聞き取りができなかった箇所のみを重点的に聴く
Step 4: 一つひとつの英文を音読する
Step 5: すべての英文を繰り返し音読する
それぞれのステップについて詳しく解説します。
まずは、スクリプトは見ないで、手本の音声を聞いて、内容の理解に努めましょう。音声は何度聞いても構いません。
音声を聞いて聞き取れなかったところや、内容が理解できなかったところを「1分43秒付近」のように記録しておくことをおすすめします。
スクリプトや教材に付属している和訳を見ながら、分からない単語や表現の意味を確認します。
そして、Step1で聞き取れなかった箇所は、単語やフレーズが分からなかったからなのか、それとも英文の聞き取りができなかっただけなのかをチェックしましょう。
次は、Step2でチェックした「英文の聞き取り」ができなかった部分にフォーカスします。
該当箇所を何度も繰り返して聞いたり、再生速度を遅くしたりして聴くなどしましょう。
それでも聞き取りができない場合は、日本語訳を確認してください。
そして、和訳の確認をした後は、英文スクリプトを見ながら再び音声を聞きます。
この際、英語の文字と音声を結びつけることを意識しながら聴くといいです。
そして音声を聞きながら音読します。
この段階では、英文を1文ずつゆっくり音読してください。音読する際には、手本の音声を真似て発音することを意識しましょう。
正しく発音ができるようになったら、英文をチャンク（意味のかたまり）に分けて、返り読みせずに内容の理解をしながら音読してください。
この作業をすべての英文で行います。
Step4の作業をすべての英文でやり終えたら、今度は音声を使わずに、通して音読しましょう。
この段階では下記の点に気をつけながら音読してください。
もし、少しでも不安な箇所がある場合は、前のステップに戻ったり、何度も音読を繰り返したりしてください。
可能であれば、英文を暗唱しましょう。より負荷がかかるので英語力アップにつながります。
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それぞれのポイントについて、1つずつ解説していきます。
正しい英語の発音を身につけるためには、ネイティブスピーカーによる音声の読み上げがある教材を必ず選びましょう。
正しい英語の発音のお手本がないと、自己流の間違った発音になってしまう可能性が高いからです。
それでは音読の効果が全くありません。
英語音読をする際に最も大切なのが、教材選びです。
教材が難しすぎず、簡単すぎないものを選びましょう。
目安は、ご自身で英文を読んでみて、辞書を使わなくても80％以上の内容が理解できる教材を選ぶことがおすすめです。
また、英文のレベルだけでなく、英文が長すぎないもの、そしてご自身の興味がある内容であることも重要です。
これらを意識しながら英語の教材を選ぶことで、挫折することなく、楽しみながら英語音読ができるでしょう。
英語音読を進めていると、英文を読み上げることに意識がいってしまい、英文の内容を理解したり、正しく発音したりすることなどが疎かになってしまいがちです。
そのため、英語の音読をする際には必ず「目的を明確にして」行いましょう。
この「目的」は人によって異なるでしょう。
下記の例を参考にしながら、目的意識を持って英語音読に取り組んでください。
もし、英語の音読をしながら、同時にこれらの「目的」を意識し、達成することが難しい場合は、音読に使用しているテキストが難しくて、あなたに合っていないのかもしれません。
少し簡単なスクリプトに変更しましょう。
最初は、音声を元に、イントネーションや音の強弱など正確に発音することを意識しながら音読することがおすすめです。
英語音読で大切なことは、速く流暢に読むことではありません。
もちろん、最終的にはスムーズに英文を音読できることが理想ではありますが、最初は英語の音一つひとつを丁寧に発音することを意識しましょう。
スピーディーに読んでしまうと、「正しい英語の発音」が身につかずに、分かりづらく通じない発音になってしまう危険性があるからです。
自分で、きちんと正しく発音ができるようになると、聞き取りもできるようになります。
ゆっくりと、コツコツと英語音読に取り組んでください。
やり方は、まずは音声を聞きながら英文を黙読します。
そして音声を止めて、該当する箇所を数回音読してください。
この作業を繰り返していくことで、正しい英語の発音が身につきます。
そして、徐々に英語を読むスピードも上がっていくでしょう。
英語音読で最大限の効果を引き出すためには、スクリプトに書かれている内容をすべて把握できている必要があります。
そうでないと、英文を英語のままで理解することができなくなってしまうからです。
そのため、英語音読を始める前には、必ず、スクリプトに目を通し、分からない、単語、フレーズ、文法事項がないかをチェックし、事前に意味を調べてから音読に移りましょう。
英語音読を何度か練習し、スムーズに英文を読めるようになったら自分の音声を録音してみることをおすすめします。
自分の音声を録音し、聞いてみることで、客観的に自分の発音について考えることができるようになるからです。
自分の音声と教材の音声を聞き、下記の点を比較しましょう。
自分では正しく英語を発音できているつもりでも、自分の音声を実際に聞いてみることで、お手本の音声と比べるとまだまだなことも多いです。
ぜひ、試してみましょう。
スムーズに英文が読めていないのであれば、次の英文に進むべきではありません。
音読中に正しく発音をして、英文の理解ができるようになることが英文音読の最終目的です。
このレベルに到達するまでは、何度も同じ教材を繰り返して音読しましょう。
ドイツの心理学者エビングハウスによると、人は物事を定着させ、記憶するまでに最低6回は復習する必要があるそうです。
つまり、音読も日を空けて6回音読することで、発音、イントネーション、そして単語間のリンキングといったことが定着すると言えます。
英語音読の効果を感じられるまでには個人差や1回の英語音読にかける時間によって大きく異なります。
一般的には1日30分ほど英語音読をすれば、1ヵ月ほどで効果を感じられると言われています。
もし、効果がすぐに感じられなかったとしても諦めないでください。語学の習得は非常に時間がかかり、忍耐が必要です。
上記の「正しい」方法を使って、英語音読を継続的に行えば、必ず効果が出ます。
英語音読を継続させるためのコツは「期間や回数」に対するこだわりを捨てることです。
「期間や回数」を意識してしまうと、英語音読本来の目的を見失ってしまう恐れがあります。
何十回やっても、英文の意味が理解できない、英語がスムーズに読めないようであれば、その教材があなたに合っていないのかもしれません。
アプローチやスクリプトを変えることを考えましょう。
最後にレベル別に英語音読におすすめの教材をご紹介します。
ここでは、英語学習者を下記の3つのグループに分けています。
初心者向けの英語音読教材は下記の2つです。
「英会話・ぜったい音読」は2001年に発売されて以来ロングセラーの英語音読教材で、下記の3つのレベルに分かれています。
ご自身のレベルに合わせた本を選びやすいですね。
CDが付属でついており、テキストは中学生や高校生の英語の教科書より選ばれています。
この教材を使うことで、初心者の方でも英語を英語で考えることができる「英語の思考回路」が形成されるでしょう。
「英語力がアップする音読パッケージトレーニング」も下記の3つのレベルに分かれています。
初級者向けの「みるみる」は中学生レベルの英文が使われています。
このテキストを使うことで、音読だけでなく、リスニング、リピーティング、シャドーイングのトレーニングも可能です。
また、付属のCDの音声は下記の3つのスピードに分けられており、非常に使いやすいです。
次に中級者向けの英語音読教材は下記の2点です。
BBCとはイギリスの公営放送局のことで、イギリス英語を学習するためのコンテンツを多数配信しています。
アプリやポッドキャストを使うため、スマホさえあればいつでもどこでも英語の学習ができ、非常に便利です。
そして、無料で使うことができ、定期的に更新されているため、飽きることもないでしょう。
BBC Learning Englishの中でも特におすすめなのが“6 Minute English”です。
その名のとおり、6分間の英語学習プログラムなのですが、「音楽は失恋した心を癒せるのか？」「芸術家の脳は違う構造になっているのか？」といった興味深いテーマであるため、楽しく学習を続けられるでしょう。
スクリプトもBBCのWebサイトに公開されているので音読練習にバッチリな無料教材です。
「音読して楽しむ名作英文」はその名のとおり、「赤毛のアン」や「ロミオとジュリエット」といった英米文学の24作品を使って、英語音読をする教材です。
音読は教材の内容によっては「単調」で「つまらない」ものになってしまいがちです。
しかし、この教材では各英文は5分以内に収まっていますし、何よりも「内容がある」「楽しい」英文を音読教材にできるのでおすすめです。
音声はスマホのアプリALCOから無料でダウンロードできます。
上級者向けの英語音読教材は下記の2点です。
TEDとはTechnology Entertainment Designの略で、世界中のさまざまな業界で活躍する人々がプレゼンテーションをしている動画です。
これらの動画は無料で視聴できる上に、スクリプトを入手することもできます。
TED Talksを使うことで、英語のスピーチやプレゼンテーションで使われる言い回し、話し方のコツを身につけることができるでしょう。
しかし、非常にハイレベルであるため、挫折してしまう可能性もあります。
自分のレベルに合った動画を探す必要があるでしょう。4,000以上の動画が公開されているので、あなたのレベルに合い、かつ興味深い内容の動画が見つかるはずです。
ESL bitsはTED Talksや英語の古典文学など、高品質な英語のオーディオブックを視聴できるWebサイトです。
スクリプトが入手できることはもちろん、音声を0.65〜1.25倍速の13段階でスピード調節できるため、ハイレベルな英語であっても諦めずに音読できるでしょう。
この記事では、効果的な英語音読の方法、注意するべきポイント、そして、レベル別英語音読におすすめな教材をご紹介しました。
英語音読は正しく行えばスピーキング力だけでなく、リーディング、リスニング、そして語彙力など、英語に必要な能力をすべてバランスよく育成することができる優れた学習方法です。
時間と忍耐が必要になりますが、ぜひ頑張りましょう。
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