英語のレポート作成前に知っておくべきこと

レポート作成前に知っておくべきこと

英語でレポートを作成する前に、まずは準備をしましょう。準備とは下記のことを指します。

  • アイデアを書き出す
  • 英文レポートに相応しい英単語・表現を知る

それぞれの準備について詳しくみていきましょう。

アイデアを書き出す

いきなりレポートを書き始めても上手くいかないことの方が多いでしょう。まずは、自分がレポートで書きたいことをノートに書き出してみてください。そして、ある程度書けたら、それをどのような構成や順番でレポートとして書いていくかを考えましょう。

英文レポートにふさわしい英単語・表現を知る

皆さんは日本語で作文やレポートを書いたことはありますよね? 「書き言葉」と「話し言葉」があって、レポートや作文で使う語句や表現は、会話で使うものとは異なりますよね。それは英語でも同じです。レポートや論文などのアカデミックな英文で使われる英単語や表現と、日常生活で使われる英単語や表現も異なり、使い分ける必要があります。この章では、実際に英語のレポートや論文でよく使われる、そして役に立つ表現をご紹介します。

論文の目的を説明する際に使用する表現

レポートの導入部分や、結論部分に使える表現です。

The purpose of this study is 〜. (この研究の目的は〜です。)
The main objective of this paper is 〜. (この論文の主な目的は〜です。)

比較する際に使用する表現

下記の表現は一般的に、文頭に置いて前文の内容と比較する際に用いられます。

In contrast to 〜 (〜とは対照的に)
In comparison with 〜 (〜と比較して)

引用する際に使用する表現

引用をする際には下記のような表現を使用します。レポートでは引用を使用することが非常に多いため、何度も同じ表現を使わずに、いくつかバリエーションがあるとよいでしょう。

According to 〜(〜によると)
A states that 〜(Aは〜だと述べている)
A mentions that 〜(Aは〜だと述べている)

他にも、以下のような動詞を使うことで引用を表すことができます。似た意味の動詞でもニュアンスが異なるため、気をつけて使うようにしましょう。

acknowledge(認める)、 allege(断言する)、claim(主張する)、describe(述べる)、insist(主張する)、observe(観察する)、add(付け加える)、argue(論じる)、 confirm(確証する)、 explain(説明する)、 report(記録する)、agree(同意する)、assert(強く主張する)、 find(見つける)、note(言及する)、warn(警告する)

図表参照する際に使用する表現

グラフや表について説明する際に使う表現です。ちなみに円グラフや棒グラフのように図示化されたものを “graph” 、文字だけで書かれているものを “table” と呼ぶので気をつけましょう。

Table A shows (illustrates) that 〜. (表Aは〜を示しています。)
Graph B indicates that 〜. (グラフBは〜を示しています。)

例示をする際に使用する表現

例をあげて、具体的に説明する際には下記の英語表現が使われます。

For example, 〜(例えば〜)
For instance, 〜(例えば〜)

文と文を接続する際に使用する表現

文と文をつなぐ接続詞です。順接や逆接などの意味を表します。基本的には文頭に置きます。

  • Therefore (それゆえに)
  • Thus (それゆえに)
  • Hence (それゆえに)
  • However (しかしながら)
  • Moreover (さらに)
  • Furthermore (その上)
  • Despite(〜のもかかわらず)
  • Neverthless(それにもかかわらず)

英文レポートに適していない表現を知る

上記にもありますが、アカデミックイングリッシュは、日常会話で使う英語や口語表現とは異なります。下記が主な違いです。

  • 日常生活で使用する広い意味を持つ基本動詞は使わない
  • 接続詞 and、but、so などを文頭に置かない
  • 1人称 “I” を主語として使用しない

それぞれのルールについて詳しく見ていきましょう。

日常生活で使用する広い意味を持つ基本動詞は使わない

英会話などの日常生活での英語では have、do、make、get、take、give、put といった動詞をよく使います。 しかし、これらの動詞は汎用性が高く、英文が正しく伝わらない可能性があるということと、読者に稚拙な印象を与えてしまうことから、使うことを控えることをおすすめします。

接続詞 and、but、so などを文頭に置かない

接続詞 and、but、 so は本来英文の文頭に置いてはいけないというルールがあるので気をつける必要があります。 もし、これらの語を文頭に置きたいときは代わりに下記の語句を文頭に置くことで、洗練された英語の文章に変わります。

And

Moreover, Furthermore, In addition, Additionally

So

Therefore, Hence, Thus

But

Nevertheless, However

1人称 "I" を主語として使用しない

英語のレポートや論文は客観的に記述されている必要があることから、1人称の“I”や“We”は使用しないでください。

無生物主語や受動態の英文を活用することで、“I”や“We”を使うことなく表現することができます。

例)We can travel long distances thanks to airplanes.
(飛行機のおかげで私たちは長距離の旅行ができる。)

無生物主語の英文にすると、以下のようになります。
Airplanes enable us to travel long distances very quickly.
(飛行機は私達に長距離の旅行を可能にしてくれる。)

英語レポートの書き方 [構成]

英語のレポートの構造は基本的には日本語でのレポートや論文の書き方と同じで下記のようになります。

  1. タイトル
  2. 序論
  3. 本論
  4. 結論

この章では、それぞれのポイントをご紹介します。

1.タイトル

タイトルは、レポートの内容を端的にまとめたものにすると同時に、読者の興味を惹きつけられるようなものにするのが理想的です。

また、タイトルでは冠詞(a / an / the)、前置詞(in / from / on 等)、接続詞(and / but / so 等)を除いた語はすべて大文字で書き始めることを覚えておきましょう。

そして、サブタイトル(副題)をつける場合は、「ー」や「〜」を使わずに、「:」を使うことが一般的です。

タイトルの例)
Students’ Understanding of Matter : the Effect of Reasoning Ability and Grade Level

2.導入(イントロダクション)

導入部分で最も大切な部分は、最初の文と命題文です。最初の文は一般的には「このレポートは◯◯について論じたものである。」といった内容の文を書きます。命題文とは、レポートの「つかみ」かつ自分の主張となる部分で、ここが上手に書けていると読者の気持ちを惹きつけることができます。

例)
The main objective of this paper is to highlight the importance of introducing corporate mascots to be successful in Japan. Did you know that the size of the mascot design business market in Japan was so enormous that it was worth approximately 14 billion USD in 2006? From this fact, it can be acknowledged that if foreign companies want to expand their market in Japan and be successful, it would be effective to introduce corporate mascots.

3.本論

本論では、序論で紹介した命題文、つまり自分の主張や仮説が正しいものであることを肉付けして読者を説得します。

読者を説得するためには、主観的な意見だけでは足りません。学者の論文などを多数引用することで、客観性と説得力が増すレポートになります。

本論がレポートの約8割を占めることになります。

例)
Mohanty (2014) acknowledges that brand mascots play an important role in enabling customers to have emotional connections with the brand, identify and understand the brand, and build a great rapport with the corporations. Sometimes, brand mascots have a big influence on consumers’ purchase decisions (Pairoa & Arunrangsiwed, 2016) and they can influence not only small children but also adults or elderly people (Kochhar & Singh, 2019).

4.結論

そしてレポートの最後にくるのが結論です。総括・命題・締めという順番で書くとよいでしょう。結論は本論で述べた論理を踏まえて、発見したことやあなたの主張をまとめます。

ここでは新しい情報を加えないようにしてください。

例)
Utilizing a corporate mascot has a big influence on consumers’ purchasing behavior and it seems to be one of the most effective marketing strategies. However, Japan has formed a unique mascot market. Therefore, it would be essential to have a thorough knowledge of the Japanese market and trends in Japan to be successful in utilizing corporate mascots in Japan.

引用方法・ルール

レポートの引用方法

レポートや論文を書く際に必ず使うのが「引用」です。海外の大学では引用に対して非常に厳しいので、留学する人は特に、身につけておくようにしましょう。

引用には、クオーテーションと呼ばれる直接引用と、パラフレーズという間接引用の2種類があります。
そして、レポートの最後にReference List(参考文献リスト)をつけることになります。
ここでは、それぞれの引用と、参考文献リストの書き方についてご紹介します。

クオーテーション

日本語では、誰かの発言を「」(カギカッコ)を使って表現しますが、英語の場合は“ ”(クオーテーションマーク)を使います。そして引用した文の後に著者名、発行年、ページを記載し、カッコで括ります。そしてクオーテーションの場合は、他の論文や本からの文章をそのまま書き写す形になります。

例)“A woman must have money and a room of her own if she is to write fiction” (Woolf, 1929, p.6).

パラフレーズ

一方、パラフレーズは、学者や他者の意見を自分の言葉に置き換えて述べる引用方法で、間接引用と呼ばれています。この場合、著者名の後にその著作物の発表年を入れてカッコ書きするのが一般的です。

例)Woolf (1929) states that women need to have money and a room of their own if they want to write fiction.

参考文献

レポートの最後に参考文献のリストをつけることになりますが、これも書き方のルールがあります。そして、著者が1人の場合、2人の場合、3〜6人の場合、そして7人以上の場合とそれぞれ書き方が異なるので、こちらで説明します。

  1. 著者が1人の場合
    ラストネーム, ファーストネームイニシャル.ミドルネームイニシャル. (出版年度). 著作のタイトル. 都市, 国名:出版社

    例)Tanaka, Y. M. (2021). The influence of COVID-19. London, United Kingdom: Penguin Readers. Co.

  2. 著者が2人の場合
    「著者が1人だった場合」の著者名の後に&でつなげて同様に記載します。

    例)Tanaka, Y. M. & Yamamoto, H. A. (2021). The influence of COVID-19. London, United Kingdom: Penguin Readers. Co.

  3. 著者が3〜6人の場合
    各著者名を「,」(カンマ)で区切り、最後の著者の前に「&」を入れます。

    例)Tanaka, Y. M. , Eto, M. M. & Yamamoto, H. A. (2021). The influence of COVID-19. London, United Kingdom: Penguin Readers. Co.

  4. 著者が7人以上の場合
    最初の6人まで「,」で区切り、それ以降の著者から最後から2番目の著者までは「...」(3点リーダー)を使用し、最後の著者名のみ記載してください。この場合、最後の著者の前に「&」は不要です。

    例)Tanaka, Y. M., Eto, M. M.,Yamamoto, H. A., Akiya, T. M., Suzuki, A. T., Fukuyama, S. A., … Miyata, E. (2021). The influence of COVID-19. London, United Kingdom: Penguin Readers. Co.

英語レポートの基本フォーマット

レポートのフォーマット

英語のレポートの基本フォーマットは3種類あります。

このフォーマットでは下記のことが決められています。

  • フォント
  • フォントサイズ
  • テキスト行間
  • 目次の付け方
  • 余白
  • 表紙の有無

それぞれのフォーマットで書き方が大きく異なりますので気をつけましょう。また、フォーマットは大学または各授業で教授から指定があるはずなので、しっかりと確認しましょう。

MLA 文学・言語

MLAは文学部や言語学部といった人文学部系でよく使われるフォーマットです。下記のようなフォーマットでレポートを作成する必要があります。

フォント

Times New Roman

フォントのサイズ

12pt

ページの余白

縦と横それぞれ1インチ(25.4mm)

行間

2

ページ右上に表示するもの

名字とページ番号を記載

句読点の後ろのスペース

1文字分空ける

氏名や日付の位置

1ページ目の左上

表紙

不要

強調部分

イタリック体を活用

タイトルの位置

中央揃え

本文

タイトルの下に2行あけて書き始める。左揃え。

APA 社会学

続いてはAPAでのフォーマットをご紹介します。こちらのフォーマットは社会学部・心理学部・教育学部といった社会学系の学部で使われることが多いです。下記のようなフォーマットでレポートを作成する必要があります。

フォント

Times New Roman

フォントのサイズ

12pt

ページの余白

縦と横それぞれ1インチ(25.4mm)

行間

1.5

ページ右上に表示するもの

題名とページ番号を記載

句読点の後ろのスペース

1文字分空ける

氏名や日付の位置

・氏名はタイトルの下に3行空けて右もしくは左揃えにして記載

・日付は氏名の下または左揃えで記載

表紙

どちらでも可。表紙をつける場合は中央揃えで記載すること。

強調部分

イタリック体を活用

タイトルの位置

・中央揃え

・フォントサイズは14pt

・ボールド

本文

タイトルの下に3行空けて書き始める。左揃え。

Chicago 歴史学

最後にChicagoのフォーマットをご紹介します。このフォーマットは、機械工学や技術系のような理系学部や歴史系の学部で使用されることが多いです。下記のようなフォーマットでレポートを作成する必要があります。

フォント

Times New Roman

フォントのサイズ

12pt

ページの余白

縦と横それぞれ1インチ(25.4mm)

行間

2

ページ右上に表示するもの

名字とページ番号を記載

句読点の後ろのスペース

1文字分空ける

氏名や日付の位置

1ページ目の左上に記載

表紙

不要

強調部分

イタリック体を活用

タイトルの位置

中央揃え

本文

タイトルの下に2行空けて書き始める。左揃え。

まとめ

いかがでしたか? 英語のレポートの書き方について理解できましたか?

いくらレポートの内容が優れていても、英語のレポートや論文の書き方のルールに則っていないと、高評価を得ることが難しくなります。

覚えることが多くて大変ですが、数をこなすごとに徐々に慣れていくので安心してください。

この記事を参考にして正しい英文レポートの書き方をマスターしましょう!

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