プレゼンテーションで成功するための心構え

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プレゼンテーションで成功するにはコツがあり、持つべき心構えが存在します。

世界的な規模の講演会で有名なTEDの代表者且つキュレーターのクリス・アンダーソン氏は、その心構えを以下のように定義づけています。

  1. ストーリーを組み立てること
  2. 伝え方を決めること
  3. 体の動きを矯正すること
  4. メディアを用意すること
  5. リハーサルをすること

具体的には何をやらなければいけないのでしょうか? 以降詳しく解説していますのでご覧ください。

  1. ストーリーを組み立てること

    どんなに興味深い話でも、伝え方によって、聞き手の理解度は大きく変わります。

    そして、さまざまな伝え方があるなかで、効率的な伝達方法の一つにストーリーテリングが存在します。

    ストーリーテリングとは、語り手が、相手に伝えたい情報や概念を、それらを連想させるような印象的な体験談やエピソードなどの「ストーリー」を用いて伝えることで、聞き手の心に強く印象づけることができる話し方です。

    プレゼンがうまいスピーカーの多くはこのストーリーテリングを積極的に活用しています。

    では、どのようにストーリーを組み立てればよいのでしょうか?

    最初に、プレゼンで話すトピックに対して聴衆の知識レベルと関心度をあらかじめリサーチしておきましょう。

    リサーチにより判明したことを基に、何をどの程度プレゼンで話すのかを決めるとよいでしょう。

    そして、話す内容が決まったら、以下3つのポイントをおさえてストーリーを組み立てるのがコツです。

    1. トピック(テーマ)の紹介(問題提起)
    2. そのトピックについて独自の見解(問題解決策)
    3. ストーリー終了後に聴衆にどうなって欲しいか

    聴衆にメッセージを訴えかけ、これまでとは全く異なる世界を見せ、時には彼らの人生を変えてしまうことさえあるストーリーはこういったステップを経て出来上がるのです。

    聞き手に響く話し方ができるようになるために、ここで紹介したストーリーを組み立てることを準備の段階で疎かにしないようにしましょう。

  2. 伝え方を決める

    プレゼンには、主に3つの方法でメッセージを伝える方法があります。

    1. 台本をプロンプターから読み上げる
    2. プレゼンをいくつかのセクションに分け、セクションごとに話す内容を箇条書きにし、箇条書きを見ながら話す
    3. プレゼンターが一語一句すべての台本を記憶して話す

    1から3と、数字が多くなればなるほど、聴衆から評価されるプレゼン手法となりますが、同時に難易度もあがります。

    例えば1番目は、台本を一言一句読むことになりますので、台本に書かれたことすべてを伝えることが可能ですが、逆に、聴衆と目を合わせることは困難です。

    また、どうしても一本調子になってしまい、抑揚をつけることが難しくなり、聴衆の感情を揺さぶる話し方にはなりません。

    そのため、可能な限り1番の方法で伝えるのはやめておいた方がよいでしょう。


    次に2番目の方法。 

    セクション毎に要点を箇条書きのメモにし、それをチラ見しながらお話しすることで、聴衆の目を見てコミュニケーションを取ることが可能です。

    ただし、1点だけ注意点があります。

    それは、あまりメモに意識を奪われないようにしなければならないこと。

    聴衆はメモを凝視しているプレゼンターにあまりよい感情を持つことはありません。

    また、メモ書きが読めずに「これ何のことだっけ?」と思い出せず、プレゼンを途中で止めてしまうようなことがあってもいけません。

    あくまでもメモ書きは補助ツールとして使う程度にとどめることがコツで、そのためには、概要がすべて頭の中に入った状態でプレゼンに臨むことが必要です。


    そして、最後の3番目の方法。

    これは、TEDで人気のプレゼンターやソフトバンクの孫正義社長、アップル創業者のスティーブ・ジョブス氏、元Microsoft社長のビル・ゲイツ氏など、プレゼンで話し方が上手い人が行うスタイルです。

    何も見ずに、一言一句覚えて、自然に話すことができるようになるまで、何度も何度もリハーサルでプレゼンの練習をするのです。

    自然に話をしているように見せられるこの話し方で、聴衆と目を合わせてコミュニケーションをとり、抑揚をつけて話すことも可能なため、時間さえ許せば、最も理想的なプレゼンスタイルだと言えます。

    しかし、これができるようになるには相当な労力と準備期間が求められます。

    何も見ずに話せるようになる自信があるならば3番目の方法、自信がない方は2番目の方法で伝達するのが現実的かもしれません。

  3. 体の動きを矯正する

    多くの人にとって、人前で話をするのは、簡単なことではありません。

    どうしても緊張してしまいますし、体が固まってしまったり、照れ隠しのために貧乏ゆすりをしてしまう方もいます。

    プレゼンターがこのような動きをしてしまうと、どうしても弱々しく見えてしまい、最悪、大切なメッセージが軽視されてしまうことがあります。

    そのため、プレゼンターは聴衆が違和感を感じないように体の動きを矯正することが必要なのです。

    プレゼンで成功するには、以下を心がけて話すとよいでしょう。

    • 体を左右に揺らさない
    • 体重を片方の足からもう片方の足へ移動しない
    • 説明の時は、手振りでジェスチャーする
    • 聴衆と積極的にアイコンタクトをとる

    これらは訓練次第で必ずできるようになりますので、リハーサルの最中に意識して練習し、本番でもできるようにやってみるのがコツです。

    また、プレゼンの前に、歩き回ったり、背伸びをしたり、体を伸ばしたりすると本番で体が硬直しなくなりますのでオススメです。

    ステージに上がる前に深呼吸をすることも効果的ですのでぜひお試しください。

  4. メディアを用意する

    メディアとは、プレゼンを円滑に進行させるための補助ツールで、ビジュアルエイドとも言います。

    多くの企業ではプレゼンのビジュアルエイドに、パワーポイントを使うことが一般的です。

    (パワーポイントの使い方については、それだけで一冊の本ができあがるくらいたくさんのポイントがありますが、代表的なものを抜粋し下の表にしてまとめました)

    パワーポイントを用いたプレゼンのDo’s and Dont’sの一例

    Do’s(推奨)
    • 見やすくシンプルなデザインでスライドを作成
    • 絵や写真、イラストを活用
    • バランスを考えた彩色
    • 見やすい大きめのフォントの使用

    ……など

    Dont’s(非推奨)
    • メモ代わりに使う
    • スライドに書かれている言葉を読む
    • 文字をギッシリ詰め込む
    • 専門用語の使用
    • 重要な点がわかりにくいグラフの採用

    ……など

    一方でTEDに出演する講演者の多くは、スライドをまったく使わないことがほとんどです。

    このことから、パワーポイントは視聴者の層に合わせて使用することがよいと言えます。

    他にもビデオを含めた動画を活用することがあります。

    例えば、カラスの知能に関するプレゼンで、カラスがフックを曲げてチューブから餌を釣り上げる映像を見せることができると、プレゼンターが説明するよりもはるかにわかりやすくメッセージが伝わります。

    ただし、長い動画は、視聴者の集中力を失う危険性がありますし、企業のビデオで宣伝やインフォマーシャルのようなものは視聴者に不快感を与えてしまうことがあるので注意が必要です。

    そして、商品サンプルやダミーなどの見本を使ってもよいでしょう。

    メディアはあくまでもプレゼンのメッセージを分かりやすくするために補助的に使うのがコツです。

  5. リハーサルをすること

    プレゼンで成功をおさめたいならば、リハーサルをすることが必要不可欠です。

    リハーサルの間に新しいことに気づきがあったり、過ちを修正することが可能ですので、できる限り早い段階でプレゼンで話す内容を固め、リハーサルに打ち込むのがコツです。

    孫正義社長、ビル・ゲイツ氏、スティーブ・ジョブズ氏などのプレゼンが得意な人は、大企業の社長で多忙であるにも関わらず、漏れなく長時間プレゼンのリハーサルをしていることをご存じでしょうか?

    プレゼンで成功するには、アイデア、物語性とスピーカーの情熱が必要ですが、これらは頭の中でシミュレーションするだけではなく、何度も練習を繰り返す中で改善されていくものなのです。

    たまに即興で話される方もおられますが、大抵の場合、何度もリハーサルをした人よりも上手くいきません。

    努力は嘘をつきません。可能な限りリハーサルに時間を費やしましょう。

プレゼンテーションで上手く話すコツ10選

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プレゼンテーションで上手く話せるようになると、メッセージが聴衆の心に響くようになり、反応が高まります。

その結果、提案が受け入れられ、聴衆に期待している行動を取って貰いやすくなることから、絶対にマスターしておきたいのがここで紹介する10のコツです。

ベルリッツのBBCS(実践的ビジネストレーニング)の講師が特に大切にしているプレゼンで聞き手に響く10の話し方のコツ

  1. トピックを簡単に説明する
  2. 限られた時間内で簡潔に話す
  3. 専門用語を使わない
  4. つなぎ言葉に気をつける
  5. スライドを読まない
  6. 笑顔でアイコンタクトをとりながら話す
  7. ジェスチャーを使う
  8. 聞き手を巻き込む
  9. 自信を持つ
  10. ステージの立ち位置を工夫する

を以下で解説します。

  1. トピックを簡単に説明する

    優れたスピーカーは、プレゼンの頭に、このプレゼンは何について話すのかを簡単に説明します。

    (時には説明の代わりに、問題提起をされることもあります。)

    この説明で、聴衆に、いかにこのプレゼンで話すことが彼らに役立つかを訴えて関心を持ってもらうのです。

    • 簡単に言うとこのプレゼンは何について話すのか?
    • なぜ、そのトピックについて話すのか?
    • そのトピックの何が聴衆に関係あるのか?

    などを簡潔に説明できるようにしましょう。

  2. 限られた時間内で簡潔に話す

    人の集中力は10分が限界とされています。そのため、10分以上プレゼンをするのは得策ではありません。

    短い時間の中で、伝えたいことをできる限り簡潔な言葉で話すようにできると、聴衆に大切なメッセージが伝わり、結果的によいプレゼンテーションとなります。

    可能な限り少ない言葉でシンプルに説明できるように意識づけるのがコツです。

  3. 専門用語を使わない

    専門用語とは、特定の職業に従事する者や、ある特定の分野/業界等の間でのみ使用され通用する言葉です。

    テクニカルターム(英語 technical term)やテクニカルジャーゴン(英語 technical jargon)とも言います。

    これらの言葉は一般的には知られていないことが多く、聴衆が聞くと、言葉の意味がわからずにプレゼンについていけなくなり、ストレスを抱えてしまいます。

    そのため、専門用語はわかりやすい言葉に置き換えて使用するようにしましょう。

  4. つなぎ言葉に気をつける

    ここで言うつなぎ言葉とは、「だから」「しかし」「したがって」などの二つの文章をつなげる接続詞や接続語ではありません。

    「えーと」「あのー」「ちょっと……」「あ〜」「ん〜」などの、言いたいことがスムーズに出てこなかったり、言葉に詰まった時に発する言葉を指します。

    英語では”You know”(ほら、あの)とか”What-cha-ma-call- it?” (なんだっけ?)などでフィラーワードと言い、これがそれに相当します。

    こういった言葉はプレゼンの最中は極力控えましょう。

    プレゼンターはプロフェッショナルな印象を失い、メッセージが伝わりにくくなります。

  5. スライドを読まない

    冒頭でも説明しましたが、スライドは説明を補足するためのビジュアルエイドとして使用するのが目的です。

    それ以外の目的では使ってはいけません。

    間違っても、スライドにある言葉を声に出して読まないようにしましょう。

  6. 笑顔でアイコンタクトをとりながら話す

    こちらも冒頭で説明しましたが、聴衆とコミュニケーションをとりながら話すことがプレゼン成功のコツの一つです。

    コミュニケーションを円滑に行うためには、アイコンタクトをとることが欠かせません。

    さらに、笑顔で聴衆と目を合わせることができると、聴衆はあなたとプレゼンのどちらに対しても好印象を持ってくれることでしょう。

    笑顔とアイコンタクトはプレゼンの最中で絶やさないことが大事です。

  7. ジェスチャーを使う

    ジェスチャーとは、他の人に何かを伝えるためにする身振り手振りのことで、意志を伝達する方法の一つです。

    ジェスチャーは原始的なコミュニケーション方法として、言葉が発達する前から使われている伝達手段なので、これをプレゼンの中で欠かすことはありえません。

    体の動きで容易に聴衆にメッセージを伝えることが可能ですので、ぜひ積極的に活用しましょう。

  8. 聞き手を巻き込む

    時に、話をしている最中に、「自分が話したことが正確に伝わっているのかな?」と疑問に思うことがあります。

    それはプレゼンの中でもおこります。 そして、そのような時は、聴衆に質問をするとよいでしょう。

    聞き手を巻き込むことで、以下5つの効果が期待できます。

    1. 聞き手の注意を喚起できる
    2. 情報を引き出すことができる
    3. 意見・異論・反論を得られる
    4. 問題意識を持たせられる
    5. 伝えたいメッセージを強調できる

    質問をすることで聞き手をプレゼンに巻き込み、そして、プレゼンが盛り上がります。

    聴衆を観察し、「少し元気がないかな?」と思われた時にこれをやるとよいでしょう。

  9. 自信を持つ

    聴衆は自信なさげでボソボソと話をするプレゼンターに対してよい印象を持つことはなく、話している内容にも徐々に興味を失っていきます。

    そのため、どんなに余裕がなくても、自信を持ってプレゼンを行うことが大切です。

    大きめの声でハッキリと聞き取れるように、そして胸を張って話すように心がけましょう。

  10. ステージの立ち位置を工夫する

    プレゼンを行う際、注意したいのは、すべての聴衆とアイコンタクトをとることです。

    狭い部屋でプレゼンを行うなら、一点に立ち続けて話をしてもすべての聴衆とアイコンタクトをとることが可能です。

    しかし、数十人以上の聴衆がいる会場の場合、ステージ内で移動し、さまざまな方向にいる聴衆とアイコンタクトをとった方が、よりプレゼンがうまく進行できます。

    プレゼンターは会場の広さに応じて、立ち位置を変え、全員とコミュニケーションがとれるように工夫しましょう。

まとめ

プレゼンを成功させるための5つの心構えと、

  1. ストーリーを組み立てること
  2. 伝え方を決めること
  3. 体の動きを矯正すること
  4. メディアを用意すること
  5. リハーサルをすること


プレゼンテーションでうまく話す10のコツ

  1. トピックを簡単に説明する
  2. 限られた時間内で簡潔に話す
  3. 専門用語を使わない
  4. つなぎ言葉に気をつける
  5. スライドを読まない
  6. 笑顔でアイコンタクトをとりながら話す
  7. ジェスチャーを使う
  8. 聞き手を巻き込む
  9. 自信を持つ
  10. ステージの立ち位置を工夫する

について説明しました。 

この記事で説明したテクニックを用いて、あなたが聴衆の心に響くプレゼンができるようになっていただけることをお祈りしています

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