年齢ごとの英語教育と学習方法
英語教育には、脳と精神の発達段階に合わせて、年齢ごとに最適な学習方法が存在します。
ここでは年齢ごとにどのような英語教育の選択肢があるのか?簡単に説明させていただきます。
幼児
就学前の幼児の英語教育には、とにかく英語の音に慣れさせるインプット重視の学習方法が最適です。
子供が好きなキャラクターのCDやDVD、そしてYouTubeなどの動画、また音が出る絵本やおもちゃなどを用いてたくさんの英語の音に触れさせるようにしましょう。
子供が楽しみながら英語に慣れることができる環境づくりに努めましょう。
小学生
小学生は英語の授業が始まる前の1〜2年、導入時期の3〜4年、そして中学受験を意識し始める5〜6年生とで学習方法を分けて考えることが大切です。
小学1〜2年生の場合、身につけておきたい英語能力はアルファベットを書く力と簡単な単語の読み書きができる能力です。
これらは最初に英語の授業でつまずくポイントですので、3年生の英語の授業の導入時期までにこれらが出来る様になっておくことが理想的です。
ともに漢字の書き取りのようなドリルを使って学習するのがよいでしょう。
次に小学3〜4年生の英語教育の導入時期についてです。
小学3〜4年生が英語の授業で学習する単語知識数は、約300語とそれほど多くありません。
また、簡単なコミュニケーション術が教えられますが、よほどのことがない限り、学力的についていけないようなことはありません。
ただし、小学5〜6年生時点の英語教育内容は難易度がぐっとあがりますので、余裕がある3〜4年生時点で準備しておくのが理想的です。
そして、小学5〜6年生の英語教育では、覚える単語数が約6〜700語、さらにリスニングも導入され、若干複雑な文章を聞き取り理解できる能力が求められます。
また、音読もできるようにならなければなりません。
多くの生徒はリスニングと音読でつまづきますので、ここで対策を取ることが必要となりますが、家庭内のサポートだけで十分なので、ご安心ください。
例えば、リスニングの場合、児童が興味がある分野の英語の動画をYouTubeなどでたくさん見せてあげることで自然と能力が身につきます。
可能な限り、たくさんの英語の動画を見るように習慣づけしましょう。
そして音読の場合、絵本や短い小説を親子で一緒になって、毎日声に出して読む訓練を続けることがオススメです。
できるだけ多くの時間、声に出して英語で話すようにすると、必ず体得できるので、毎日欠かさず実践しましょう。
さらに、ある程度音読やリスニングができるようになったら、小学生の間に英検を受けて、5級の合格を目指しましょう。
小学校卒業前に、中学初級レベルの英語力を保有していることを証明できれば、必ず英語が好きになり、中学校での英語の学習意欲が高まります。
また中学受験に関しては、学校ごとに問題の傾向が異なりますので、志望校の過去問を入手して学習させることがオススメです。
中学生
中学生の英語教育は、新しい学習指導要領で、小学3年生から英語教育が施されるようになったため、
中学卒業時点で覚えなければならない単語数が1,200語から2,500語に倍増した
感嘆文、原型不定詞、仮定法(基本的なモノ)、現在完了進行形といった今まで高校で学んでいた英文法も学ぶようになった
「聞く」「話す(プレゼン)」「話す(やりとり)」「読む」「書く」の4技能5領域で英語力が判断されるようになった
などで従来よりも難易度があがりました。そのため、非常に心配している保護者の方もいますが、大筋では以下のように勉強をすすめれば大丈夫です。
1年生:英語の基礎を固める
中学1年生の英語の学習は、中学3年間で学ぶ英語全体の土台となる部分を強化することと位置づけるとよいでしょう。
それには、小学生から英語で学習してきたことがすべて身についていることが求められます。
取りこぼしがないか確認し、万が一取りこぼしているものがあれば、ここで挽回しましょう。
2年生:英文法の基礎を定着させる
中学2年生の英語の学習は、英語の文法について真剣に学習し始める最初のタイミングだと考えてよいでしょう。
小学校から中学1年生までに学習した英語の知識を使いこなし、これまでは短文だったのが、まとまりのある文章(パラグラフ)を書けるようになることも求められます。
3年生:英語の長文読解力とリスニング力を身につける
中学3年生の英語の学習は、これまでに学習した英語の基礎的な知識と文法知識を用いて、さらに難易度が高い文法を用いて文章を書いたり、長文を読んで理解することが求められます。
また、ディスカッション、発表、作文の時間もそれなりに設けられていますので、2年生までに学習したことがおざなりになっていると大変なことになります。
できる限り早い段階で遅れを取り戻して、卒業までに中学生で習う英語のスキルすべてを習得できるように努力することが大切です。
また、高校受験に関しては、それぞれの学校ごとにテストに出てくる問題の傾向が異なりますので、志望校の過去問を入手し、苦手な分野がなくなるまで繰り返し学習し続けることが大切です。
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高校生
高校生の英語教育は新学習指導要領により、例えば、高校卒業時点までに覚えなければならない単語の数が従来の3,000語から5,000語に増えたこと、ディベートやディスカッションで英語を使って意見交換することなどが求められるようになりました。
ただでさえ、英語授業の導入時期が小学校からに前倒しされたことで、高校卒業までに学習する英語授業の難易度は高まりましたが、大筋では以下3つの方針にのっとって勉強をすれば大丈夫です。
- 読解力を中心に英語力を強化すること
- 自分が考えていることを文章や口頭で伝えられるようになること
- 定期テストと大学入試は別物、それぞれの目的に合わせて勉強すること
くわしく見ていきましょう。
読解力を中心に英語力を強化すること
理想的には、新聞から物語、専門書など、幅広い分野の文章を読めるようになることが大事ですが、最初は、生徒が興味を持つ分野で多くの文章を読むようにし、徐々に対象分野を広げていくようにしましょう。
生徒が英語を読むのに苦手意識を持たないように、楽しんで英文と触れ合えるような環境を整備することが大切です。
高校英語で成功するためには、たくさん読むことで、読んで理解する力と読むスピードを高めることが欠かせません。
自分が考えていることを文章や口頭で伝えられるようになること
日本人のなかには、英語を学習する上で「誤った文法や言葉遣いで書いたり発言してはいけない」という消極的な考え方の持ち主が少なくありません。
そのため、英語で発言することや文章を書くことにどうしても積極的になれない生徒が多く、これが日本人全体の英語力が伸びない原因となっていました。
英語力を伸ばすには、多少の間違いは気にせずにどんどん自分が考えていることを文章や口頭で伝えられるようになることが欠かせません。
文章を書いたり発言したりする能力は、文章を読む能力と同じように、やればやるほど伸びます。
最初のうちは間違いを気にせずに、積極的に文章を書いたり発言をしたりする。
そして、回数を重ねていくうちに、文法面を矯正するように心がけると英語力は効率的に強化されますのでこのようにマインドセットを変えて英語の勉学に取り組むことがとても大切です。
定期テストと大学入試は別物、それぞれの目的に合わせて勉強すること
定期テストと大学受験では、同じ高校英語の試験でも、求められることや勉強方法が全く違います。
定期テストの場合、試験範囲が決まっています。
対象範囲を重点的に学習すると高得点が取れます。
一方で、大学入試では、定期テストと比べると膨大な知識量が求められます。
試験に合格するためには、小学校から高校までの12年間の英語の授業で学んだ知識をフル活用することや応用することが求められます。
また、大学によって試験の傾向が異なりますので、志望校に合わせて勉強をすることも必要です。
このように目的別に分けて勉強をすることが大切です。
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