英会話の独学に適した教材は?

まずは教材を用意します。とはいえ万人に「これがおすすめ」と言える教材はありません。なぜなら英語の用途やレベルは人それぞれだからです。そのため、ここでは教材選びのポイントを3つ紹介します。

  • 自分に身近なテーマの教材
  • 音声+スクリプトがある教材
  • 辞書を使わず理解できる教材

まず1つ目はご自身が英語を使う目的に合った英文が使われている教材を選ぶこと。仕事で英語を使うならビジネス英語、海外旅行や留学で英語を使うなら日常英語など、共感しやすく興味のある題材を選びましょう。一般的な書店で購入しても良いですし、英会話スクールやオンライン英会話などの教材を活用するのも良いでしょう。

2つ目は音声とスクリプトがセットになった教材を選ぶこと。音声がセットになっているものは、リスニング力や発音の向上に欠かせません。YouTubeTED Talksなど字幕付きの動画も重宝します。

3つ目は自分のレベルに合った教材を選ぶこと。学習の目的が読解力や単語力アップなら、知らない単語や表現が出てくる教材が適していますよね。一方で目的がスピーキング力アップの場合、ほとんどが「お手本の音声を使って自分も声を出す」というトレーニングになります。

知らない単語が多すぎると聞き取りが難しく、ストレスにもなります。そのため知らない単語はほとんどない、もしくはあるけど文脈から推測できるレベルの教材が合っています。

それでは教材の選び方が分かったところで、ここから英会話の独学法を4つ紹介します。

音読

音読は、英文を声に出して読むという英語練習法の基本。正しい発音でトレーニングするために、他のトレーニング方法と同様、音声つきのテキストを使うことがおすすめです。以下で、効果的な音読をするためのポイントを確認しましょう。

音読の進め方

  1. テキストを見ずに音声を繰り返し聴く。できるだけ内容を理解するよう努める。
  2. テキストを見て内容を把握する。ここで分からない単語があれば調べる。
  3. 各単語の発音や音のつながり(=音声変化)に注意しながら、再度音声を聴く。
  4. 音声をフレーズやセンテンスごとに止めて、真似をするように声に出す。
  5. 慣れてきたら、音声無しで自分だけで声に出して読む。
  6. 自分の声を録音して、お手本の音声との違いをチェックする。
  7. 何度も繰り返し、お手本の音声に近づける。

これを繰り返し行うことで、英語を和訳せずに英語のまま理解する力に繋がります。この「英語を英語のまま理解する力」は、会話のなかで相手の話をより早く明確に理解する力に繋がります。音読は、発音や抑揚の練習にも効果的です。

オーバーラッピング

オーバーラッピングは、英文スクリプトを見ながら、音声そっくりに自分の声を重ねるトレーニング方法です。視覚の助けを借りながらトレーニングできるので、初心者も取り組みやすい方法です。

ポイントは、聞こえてくる音のリズム、イントネーションをそっくり真似るようにすること。そうすることで英語特有の発音ができるようになり、結果的にリスニング力も向上します。効果的なオーバーラッピングのポイントは以下の通りです。

オーバーラッピングの進め方

  1. 英文を見ながら音声を流す。音の連結、区切り、強弱、抑揚などに注目して英語のリズムをつかむ。
  2. 音声をフレーズやセンテンスごとに止めながら流し、重ねるようにそっくり真似して声に出す。
  3. 慣れてきたら、途中で止めないまま、音声に重ねるように声を出す。

オーバーラッピングはネイティブならではのスピードと音声変化に慣れるのに効果的です。

シャドーイング

シャドーイングは、英文を見ずに音声を影のように追いかけて声に出す練習法です。視覚の助けを借りずに音声だけを聴きながら発声するので、英語で考えて英語で話すという実践に近いトレーニングです。

ポイントは、聞こえた英語をそっくりそのまま発声すること。最初は難しく感じても、くり返すことで慣れていくはずです。

シャドーイングの進め方

  1. テキストを見ず、音声を追いかけるように声に出す。リズムや発音、区切りや間の置き方も真似る。
  2. 自分の声を録音し、音声と比べてみる。
  3. テキストを見ながら、文章の構造や単語の発音を確認する。

シャドーイングは、音読やオーバーラッピングと違って、まずスクリプトを見ないで音声を聞くことから始めます。始めは何を言っているか分からなかったり、スピードについて行けなかったりするでしょう。

難易度は高めですが、シャドーイングができるようになれば、リスニング力や英語特有のリズムが身に付きます。

ディクテーション

ディクテーションは、音声を聞いて、その英語を書き出すトレーニング方法。

実際に書きだすことで、ただ聴き流すだけよりも、自分が聴きとれたことと聴きとれなかったことが明確になり、リスニングの精度アップに効果的です。

ポイントは、単語が組み合わさった時の発音の変化に気をつけること。英文を読めばわかるのに、音声だけだと意味が理解できないことがよくわかるかもしれません。聴き取れなかった音を意識することで、次第にリスニング力がアップするでしょう。

ディクテーションの進め方

  1. テキストを見ずに音声を流す。文章単位で一時停止して、頭の中に残った音声を書きだす。
  2. 聴き取れないところは前後の文脈なども考えながら聴き直し、文を完成させる。
  3. すべて書き出したら、スクリプトと見比べて間違えた単語やスペルをチェックする。
  4. 間違えたところが正しく聞き取れるか、再度音声を流す。

ディクテーションでは、名詞や動詞は聞き取れても、a や the などの冠詞、can や will などの助動詞を完璧に聞き取れるようになるまで時間がかかります。

でもディクテーションを繰り返せば、文章の構造がより深く理解できるようになり、リスニング力だけでなく、正しい文法で話す力にも繋がっていくでしょう。

英会話は独学である程度伸びる!

今日から自宅で始められる、英会話力アップに繋がる独学法を紹介しました。いかがでしたか?

文法や単語の勉強に加えて、これらのトレーニング法を続けていれば、ある程度人の助けを借りることなく英語が話せるようになります。

ただし実際に正しく発音できているか、表現の使い方が合っているかなど、自分ではどうしても分からないこともありますよね。そんなときは英語話者の助けを借りた方が、より効率的に英語力を伸ばせるのも事実です。

最後に、英会話スクールやオンライン英会話を既に利用している人にとっても、ここで紹介したトレーニング法は効果的です。むしろ週1~2回のレッスンだけでは、すぐに英語は伸びません。スクールを利用しながらも、自宅での学習は欠かせないのです。

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