海外の取引先などと英語で電話をしていて、名前や会社名のスペルが分からなくて聞き返した経験はありませんか?
ビジネス英語の電話応対では、相手の名前や連絡先をたずねる場合のフレーズを学びました。
今回ご紹介する「フォネティックコード」を使えば、より確実に聞き取りができるようになります。
外国人同士のやり取りでは、聞き慣れない名前や地名はお互いに聞き取りづらく、一度では通じないこともあります。
ぜひフォネティックコードを活用して、スムーズなやり取りを目指しましょう。
フォネティックコードとは
フォネティックコードとは、別名「音声コード」と呼ばれており、元々は米軍などが雑音の多い無線機で聞き間違いを防ぐために定められました。
アルファベットには、「BとD」「TとP」「MとN」など、聞き間違いやすい文字が多く存在します。
そこで共通のフォネティックコードを利用することにより、間違いなく正確にスペルを伝達できるようになります。
フォネティックコードは航空業界や旅行業界でも取り入れられており、独自のフォネティックコードを定めている企業もあるようです。
本記事では、正式なNATOフォネティックコード (NATO phonetic alphabet) をご紹介します。
フォネティックコード一覧表
文字 | コード | 発音 |
A | Alfa | アルファ |
B | Bravo | ブラヴォー |
C | Charlie | チャーリー |
D | Delta | デルタ |
E | Echo | エコー |
F | Foxtrot | フォックストロット |
G | Golf | ゴルフ |
H | Hotel | ホテル |
I | India | インディア |
J | Juliett | ジュリエット |
K | Kilo | キロ |
L | Lima | リマ |
M | Mike | マイク |
N | November | ノヴェンバー |
O | Oscar | オスカー |
P | Papa | パパ |
Q | Quebec | ケベック |
R | Romeo | ロメオ |
S | Sierra | シエラ |
T | Tango | タンゴ |
U | Uniform | ユニフォーム |
V | Victor | ヴィクター |
W | Whiskey | ウィスキー |
X | Xray | エックスレイ |
Y | Yankee | ヤンキー |
Z | Zulu | ズールー |
電話での使い方
ここからは、実際にフォネティックコードをどのようにして会話で使うのか、具体的なシチュエーション別に例文をご紹介します。
スペルを伝えるとき
日本語でも、「田んぼの田」「稲穂の穂」と漢字表記を伝えるように、英語でスペルを読み上げるときにはアルファベットの後に「for」または「as in」を使います。
例えば、「鈴木 (Suzuki)」のスペルををフォネティックコードを使って説明してみましょう。
- My name is Suzuki. S for Sierra, U for Uniform, Z for Zulu, U for Uniform, K for Kilo, and I for India.
鈴木と申します。SierraのS、UniformのU、ZuluのZ、UniformのU、KiloのK、IndiaのI です。
なかにはRが連続している「Sierra(シエラ)」をはじめ、日本人にとっては発音しにくいものがあるかもしれません。
そのときは必ずしもNATOフォネティックコードに従う必要はなく、例えば「Spain(スペイン)」など誰もが知っている国名や食べ物の名前を挙げても構いません。
発音が似ているアルファベット
会話の中で、例えば「N」か「M」か聞き取れなかった場合は以下のように確認しましょう。
- Was (Is) that N for November or M for Mike?
それは「November」のNですか?または「Mike」のMですか?
スペルや予約番号を確認するとき
一度で名前が聞き取れなかったり、スペルが分からなかったりした場合は遠慮なく確認することが重要です。
フォネティックコードは、相手の名前のスペルを確認したいときだけでなく、アルファベットと数字が混在する航空券などの予約番号を確認する際にも活用できます。
■スペルを確認したいとき
- How do you spell your name?
お名前はどのように綴りますか? - Would you spell out your name, please?
お名前の綴りを教えていただけますか?
■予約番号を確認したいとき
- Could I read the booking number back to you? Five, Y for Yankee, D for Delta, I for India, B for Bravo, and S for Sierra.
予約番号を復唱してよろしいですか?「5、YankeeのY、DeltaのD、 IndiaのI、BravoのB、SierraのS」で正しいですか?
記号の読み方
口頭でメールアドレスや英文を読み上げるときに記号の読み方を知っておくと便利です。
日本で一般的に呼ばれている読み方では通じないものもあるため、ぜひこの機会に覚えておきましょう。
記号 | 読み方・発音 |
@ | at symbol (アットシンボル) |
. | dot (ドット)/ period(ピリオド) / full stop(フルストップ) |
- | hyphen(ハイフン) |
_ | under score(アンダースコア) |
/ | slash(スラッシュ) |
! | exclamation mark(エクスクラメーションマーク) |
? | question mark(クエスチョンマーク) |
@ (at symbol:アットシンボル) に関しては、メールアドレスを読み上げる場合、通常「at(アット)」と読み上げられます。
フォネティックコードを使った会話の例文
最後に、フォネティックコードを使った会話の例文を見ていきましょう。
ここでは、2つのシチュエーションを想定した例文をご紹介します。
■名前・会社名を確認する
You:Good afternoon, Berlitz Japan. How may I help you?
こんにちは、ベルリッツジャパンです。どのようなご用件ですか?
Mr. Dominguez :Good afternoon, I would like to talk to Mr. Jones in Sales, please?
こんにちは、営業部のジョーンズさんをお願いできますでしょうか。
You:Could I ask who’s calling, please?
お名前をお伺いできますでしょうか。
Mr. Dominguez:It’s Alex Dominguez from ABC Corporation.
ABCコーポレーションのアレックス・ドミンゲスです。
You:Excuse me, could you spell your last name, please?
すみません、名字の綴りを教えていただけますでしょうか。
Mr. Dominguez:Yes of course, it’s D for Delta, O for Oscar, M for Mike, I for India, N for November, G for Golf, U for Uniform, E for Echo, and Z for Zulu.
はい、DeltaのD、MikeのM、IndiaのI、NovemberのN、GolfのG、UniformのU、EchoのE、ZuluのZです。
You:Thank you, Mr. Dominguez. Hold on please. I will transfer you to Mr. Jones.
ありがとうございます、ミスター・ドミンゲス。そのままお待ちください。ジョーンズへおつなぎします。
■メールアドレスを確認する
You:Good afternoon, Berlitz Japan. How may I help you?
こんにちは、ベルリッツジャパンです。どのようなご用件ですか?
Ms. Oldenburg:Good afternoon, this is Julia Oldenburg from ABC Corporation. Could I talk to Mr. Tanaka in the General Affairs Department?
こんにちは、ABCコーポレーションのジュリア・オルデンブルクです。総務部の田中さんはいらっしゃいますか?
You:Mr. Tanaka is in a meeting right now. May I take a message?
あいにく田中は会議中です。伝言を承ってもよろしいですか?
Ms. Oldenburg:Yes, could you ask Mr. Tanaka if he received the invoice that I emailed him?
はい、田中さんに私がメールで送った請求書を受け取ったか確認していただけますか?
You:Sure, does he have your E-mail address?
かしこまりました。田中はオルデンブルクさまのメールアドレスを存じ上げていますでしょうか?
Ms. Oldenburg:I believe so, but I will give you my E-mail address just in case. It’s j.oldenburg@example.co.jp.
ご存じだと思いますが、念のためお伝えします。j.oldenburg@example.co.jpです。
You:Could I read the E-mail address back to you? Is it J for Juliett, dot, O for Oscar, L for Lima, D for Delta, E for Echo, N for November, B for Bravo, U for Uniform, R for Romeo, G for Golf, at, example.co.jp. Is that correct?
復唱してもよろしいですか? JuliettのJ、ドット、 OscarのO, LimaのL, DeltaのD、EchoのE, NovemberのN, BravoのB, UniformのU, RomeoのR, GolfのG、アットマーク、 example.co.jpでよろしいですか?
Ms. Oldenburg:Yes, that is correct.
はい、あっています。
You:Ok, then I will tell him that you called and to check your invoice. Thank you for calling.
それでは、お電話をいただいた旨と請求書を確認するように田中に伝えます。 お電話ありがとうございました。
まとめ
世界の英語話者の人口は約15億人、そのうちの約75%が非ネイティブスピーカーだと言われています。
なかには強いアクセントを持ち、発音が聞き取りにくいケースもあるでしょう。
そんなときでも、フォネティックコードを利用してしっかりと情報を聞き取れるようにすれば、大きなビジネスチャンスにつながるかもしれません。
ぜひ何度も口に出して、フォネティックコードを身につけてみてください。