英語の会議で発言することはなぜ大切なのか?

会議で発言することの意義は、その人が育った環境や文化により解釈が異なります。

例えば、ヨーロッパ人と北米人は、さまざまな意見を取り入れることで議論が建設的に発展することを良しとします。 

英語圏では、幼い頃から多くの人が自分の意見を述べるように訓練されているのです。

逆に、ラテンアメリカ人とアジア人(特に中国人と日本人)は沈黙を守ることがほとんどです。

これらの文化圏で育った人たちは、幼いときから、上(指導者・司会者など)の言うことをそのまま素直に聞き入れ、指示に従うように訓練されています。

ですから、彼らにとって発言することは、上に反抗することと同じで、良いとされていません。

このように、会議で発言することの良し悪しは文化圏により大きく異なります。

英語圏の場合、多様な意見を聞くことで、イノベーティブなアイデアが創造され、より良い解決策につながると考える傾向が強いですから、積極的に発言しなければなりません。

では次に、どのように工夫すれば英語の会議で発言できるようになるのか?5つのコツを解説します。

英語の会議で発言するのに役立つ5つのコツ

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ここでは英語の会議で発言をするのに役立つ5つのコツを紹介します。

ここで紹介するコツを身につけると、英語の会議で発言するのが苦でなくなります。

具体的には、

  1. 事前準備をする
  2. 質問をする
  3. 悪い印象を与える言葉の使用は避ける
  4. 自分から話す
  5. 英語で発言することが苦手なことを割り切る

の5つです。 

具体的にどうすれば良いのか?今から説明しますね。

1.事前準備をする

事前準備の大切さを表す言葉に、アメリカの16代大統領エイブラハム・リンカーンの言葉で

”Give me six hours to chop down a tree and I will spend the first four sharpening the axe.”
「木を切るのに6時間貰えるなら、最初の4時間は斧を研ぐのに費やすだろう」

があります。

この言葉は本番よりも準備に時間をかけることの大切さをあらわしています。

これは会議でも同じです。

では、会議で発言するために、事前準備で何をやるべきでしょうか? 

例えば、以下のようなことができます。

  • 会議の資料全体に目を通し、質問や思いついたことを考える
  • メインスピーカーに関連することを調べて、質問やコメントを考える
  • 議題に関することを調べて、質問やコメントを考える

そして思いついたアイデアをメモにまとめれば良いのです。

メモはできれば英語で、一つのアイデアに対して2、3行くらいの箇条書きのものを用意することができれば理想的です。

最低でも、日本語で箇条書きのメモを用意するようにしましょう。


2.質問をする

質問は、会議の中で、他の人に対してやる気を見せる最もわかりやすい動作の一つと言えます。

存在をアピールすることができますし、良い質問であれば付加価値をもたらすこともできます。

ただし、気の向いたときに適当な質問をして良いわけではありません。

TPOに合わせることが必要ですし、会議の進行を妨げるようなものであってもいけません。

では、どのように質問をすれば良いのでしょう?

うまく質問をするにはコツがあります。

例えば、以下のような形式で質問するのもひとつの手です。

  • Open-ended questions - オープン・エンデッド・クエスチョンズ
    自由形式の質問。質問することで参加者に議題に関する意見を求めます。これを行うとさまざまな意見が生まれ議論になり会議が活発になります。活気ある会議にしたいときにすると良い質問です。
  • Follow-up questions - フォローアップ・クエスチョンズ
    補足説明してもらうことで不明瞭な点を明らかにする目的の質問です。しばしば会議は疑問が生まれることで進行が止まります。そんなときに疑問を解決し、会議を活気づけるのがこの質問です。
  • Leading-questions - リーディング・クエスチョンズ
    具体的な回答を促す質問で、会話を特定方向へ導く目的で使います。回答者に不利になる誘導尋問にならないことが大事です。回答者が悩んでいるときに、助け舟やヒントを出す目的で使うと良いでしょう。

他にも、会議の中で疑問に思ったことをストレートに質問したり、事前準備中に疑問に思ったことを質問したりすることもできます。

気の利いた発言ができそうにないときは、このように質問をしてみるのも良いでしょう。


3.悪い印象を与える言葉は避ける

英語には言葉のニュアンスを知らずに使うと悪い印象を与えてしまうものがあります。

例えば、Maybe、I think、 Sorryがそうです。

これらの言葉について、詳しく解説しますね。

  1. Maybeについて

    Maybeは「おそらく」「たぶん」「〜かもしれないですね」と言った意味合いで使う言葉です。

    ビジネスシーンでも普通に使いますし、失礼な言葉ではありません。

    でも、Maybeという言葉は、ときと場合により、英語圏の人には、消極的でやる気がないと思われることがあるので注意が必要です。

    例えば、

    Are you interested in joining the new project?
    あなたは新しいプロジェクトに参加することに興味がありますか?

    という質問に対して、

    Yes. Maybe I’m interested.
    はい。興味があるかも知れません。

    と答えたら。

    あなたは「内容によっては参加したい(高い確率で参加したい)。」と伝えているように思われるかも知れません。

    でも、実際には、英語圏の人には「内容によっては参加したい(あまり参加したくない)。」と伝わってしまいます。

    言葉のニュアンスを正確に理解していないと、本来とは逆の意味で伝わることがあるので注意が必要なのです。

  2. I thinkについて

    I thinkは「私は〜のように考えます」という意味で使いますが、これも使い方によっては誤解を与えるので注意が必要です。

    例えば、

    I think I can do it.
    私はできると思います。

    と、

    I can do it.
    私はできると思います。

    の2つの文章があります。

    翻訳すると同じになりますが、これらは全く異なることを伝えています。

    前者は、「私はできると思います(できない可能性もある)。」と伝えているのに対して、後者は「私はできると思います(100%できる)」と言い切っているのです。

    また、I thinkという言葉は、主観的な意見を述べるので、客観的な証拠と一緒に発言された意見よりどうしても主張が弱くなってしまいます。

    そのため、会議で発言する際は、極力 “I think”を使用しない方が良いのです。

  3. Sorryの場合

    Sorryという言葉を使うときにも注意が必要です。

    日本語では「すみません」という言葉を日常的に使用しますよね?

    例えば、謝るとき、感謝の意を表すとき、人に呼びかけるときなどに使うことができます。

    本当に便利でカジュアルな言葉です。

    でも、これと同じ感覚でSorryという言葉を気軽に英語に用いるのはあまり得策ではありません。

    英語のSorryは、

    • 謝罪、それも深謝するとき
    • 相手に聞き返すとき
    • 共感や同情を示すとき
    • 後悔の念を示すとき

    と言った、よりフォーマルな機会で使われる言葉なのです。

    Sorry, could you please repeat that?
    すみませんが、もう一度言っていただいてよろしいでしょうか?

    と英語圏の人に伝えると、相手は「なぜ、この人は必要がないのに謝るのだろう?」とあなたの態度を不快に思われることがあります。

    言葉に重みがあるので、英語の会議で発言する際は、Sorryも極力使用しない方が良いでしょう。


4. 自分から話す

エグゼクティブ・コーチのジョエル・ガーフィンクル氏によりますと、発言するのを待てば待つほど、自責の念を生み、引っ込み思案になる時間が長くなり、会話に参加するのが難しくなるそうです。

その対応策として、自分が最初に発言することで会話の主導権を握る方法があります。

人が発言した後に、その意見を覆すために持論を受け入れてもらうのは相当な労力が求められますので、そうなる前に自分から話すことで自らが主導権を握るのです。

ひとことふたことコメントを最初に述べるだけで会話の主導権を握り、周囲から良い評価を得ることができますので、スマートな選択肢といえます。


5. 英語で発言するのが苦手なことを割り切る

あなたが英語で発言することが苦手なことを、多くの同僚は知っています。

そんな中、あなたが拙い英語で一生懸命話すと、その前向きな姿勢にほとんどの人が好感を持つことでしょう。

シンプルな単語だけを用いて話しても良いので、はっきりとした発音でしっかりと話しかけるように心がけましょう。

そして、詰まりながらでも良いので、自分の考えをはしょらずに最後まで述べることが大事です。

多くの人が英語が苦手なために、面倒がったり、恥ずかしがったりして、会議の中では黙っているので、あえて同じように英語で話すことが苦手なあなたが発言するのです。

挑戦者は英語圏ではとても評価されます。

前向きで頑張る姿勢が評価されるのです。

どんなに苦手でもがんばって発言することがとても大切なのです。

会議の発言に役立つフレーズ集

では次に、会議の発言に役立つフレーズをいくつか紹介します。

ここでは、

  • 質問をするとき
  • 意見を主張するとき
  • 話に割り込むとき

の3つの状況に役立つフレーズを紹介します。

質問するとき

質問をするときには、なぜその質問をするのか?理由を補足すると、スムーズな流れで会議が進行します。

例えば、もう少し詳しく説明して欲しい場合、次のように伝えると良いです。

I don’t think I fully understand what you mean. Could you please elaborate on that?
おっしゃることがよくわからないのですが、もう少し詳しく説明していただけませんか?

自分の認識が合っているか確認したい場合は、次のように伝えると良いでしょう。

If I understand you correctly, you are saying…
私の理解が正しければ、あなたがおっしゃっていることは……

聞き取れなかった場合は、次のように伝えると良いです。

I missed that unfortunately. Could you say it again, please?
残念ながら聞き取ることができませんでした。もう一度言っていただいてよろしいですか?

日本語でもそうですが、質問をするときは、枕詞(まくらことば)を使うとうまくコミュニケーションを取ることが可能です。


意見を主張するとき

会議で自分の意見を主張したいとき、どのように伝えれば良いでしょうか?

例えば、強く主張したいときは以下のように伝えると良いです。

I have no doubt that my sister will pass the entrance exam.
妹が入学試験に合格することを確信しています。

他にも、暫定的な見解を述べたいときは以下のように伝えることが可能です。

It seems to me that something is wrong.
私には何かが間違っているように思われます。

そして、中立的な立場で意見を述べたいときは以下のように伝えると良いでしょう。

From my point of view, I think it's a great idea.
私から見ると、とてもいいアイデアだと思います。


話に割り込むとき

話に割り込むのは、上手にやらないと、発言中の方の気分を害してしまうばかりか、会議全体の雰囲気を悪くしてしまうことがあるので注意が必要です。

例えば、以下のような枕詞を用いて、断りを入れて、話を割って入るように心がけましょう。

Excuse me but may I jump in here?
すみませんが、会話に加わってよろしいですか?

他の話題を話したいなら、次のフレーズが有効です。

Excuse me for interrupting. Could we move on to the issue X?
話を遮って申し訳ありません。Xの議論を始めてもよろしいですか?

また、どうしても話を中断して確かめたいことがある場合、以下のように割り込むことが可能です。

I don’t mean to be rude but I’d like to ask a question.
失礼かもしれませんが質問させてください。

まとめ

この記事では、英語の会議で発言する際に役立つ

  1. 事前準備をする
  2. 質問をする
  3. 悪い印象を与える言葉の使用は避ける
  4. 自分から話す
  5. 英語で発言することが苦手なことを割り切る

の5つのコツを紹介しました。

また、会議中、

  • 質問をするとき
  • 意見を主張するとき
  • 話に割り込むとき

に役立つ英語のフレーズ集も紹介しました。

この記事を読んでいただき、会議で発言する機会が増えることで、あなたの存在感が増し、周囲からも高く評価されるようになることを祈っております。

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