① 件名
英文ビジネスメールでの件名は、相手が見てすぐに用件が分かるように具体的かつ端的に書くことがポイントです。例えば、次のように件名を書くのが理想的です。
- Quotation request for (  )
 (  )の見積り依頼
- Inquiry regarding the delivery time
 納期についての問い合わせ
- Request for an appointment for a meeting
 会議アポイントメントのご依頼
- Personnel announcement
 人事発表
- Urgent delivery request for (  )
 ()について緊急発送依頼
注意点として、「Inquiry(問い合わせ)」や「Quotation(見積書)」など件名を一言で済ませるのは避けましょう。
件名で要件が伝わらないとスパムと間違えられ、メールを読まれずに削除されてしまう可能性があります。
そのため件名は具体的に書くように工夫しましょう。
また、緊急の依頼の場合は件名に「Urgent(緊急)」や、「Heads-up(注意喚起)」を入れると相手に重要度を伝えることができます。
 
② 宛名
宛名は、相手との距離感によって使い分けが必要です。ここでは複数の表現や例を紹介しますので、適切なものを選んでください。
- Dear Mr. / Ms. +ラストネーム, - ラストネームとは苗字です。これが一番フォーマルです。初めての取引先や、社長や役員など位の高い相手に対して使うとよいでしょう。 - 英語には、既婚女性に対するMrs.や未婚女性に対するMiss. という敬称がありますが、ビジネスでは未婚・既婚に関わらずMs. が使われます。 
- Dear +ファーストネーム, - ファーストネームとは名前です。すでに相手とやり取りをしたことがあり、信頼関係が成り立っている相手に対してはファーストネームで構いません。 
- To whom it may concern, - 日本語の「ご担当者様」のように、担当者が不明の場合に使えます。 
- Dear Sir or Madam, - これも担当者名が不明の場合に使いますが、「To whom it may concern」よりも一般的です。 
- Dear Colleagues, - 社内メールで複数人に一斉送信する際に使います。 
 
③ 書き出し
英文ビジネスメールの書き出しは、挨拶や自己紹介から始めましょう。特に面識のない相手に送る場合は、最初にしっかり自己紹介をすることが重要です。
- My name is Hiroshi Tanaka and I’m from Berlitz Japan. - ベルリッツ・ジャパンの田中博と申します。 
- My name is Hiroshi Tanaka. I am an overseas sales manager at Berlitz Japan. - 私は田中博と申します。ベルリッツ・ジャパンで国際営業部のマネージャーを担当しております。 
- My name is Hiroshi Tanaka from Berlitz Japan.
 It was a great pleasure to meet you at the exhibition in Shanghai last week.
 - ベルリッツ・ジャパンの田中博と申します。
 先週は、上海の展示会でお目にかかれて光栄でした。
 
- My name is Hiroshi Tanaka. I will be Mr. Suzuki’s successor from April. - 田中博と申します。4月より鈴木の後任をさせていただきます。 
日本語の社内におけるビジネスメールでは、冒頭に「お疲れ様です。」と記載することがほとんどですが、英語には「お疲れ様」にあたる表現はありません。
その代わりに、下記のような相手を気遣うフレーズを使いましょう。
書き出しに最適な表現や例文をもっと知りたい!という方は、こちらも参考にしてください。
 
④ 用件
メールの本文では、なぜこのメールを書いているかという理由を相手に簡潔に述べてから本題に入りましょう。
- I am writing with regard to confirming the delivery time. - 納期について確認したくご連絡しております。 
- This is to inform you that we have received your payment on April 1st. - 4月1日にご入金の確認ができましたことをご連絡いたします。 
- I am writing this on behalf of Mr. Suzuki. - 鈴木の代理でご連絡させていただいております。 
 
⑤ 締めの言葉
本文の最後は、締めの文章でメールを締めましょう。
締めの文章だからといって決まり文句ばかりを使うのではなく、「返信が欲しい」「スケジュール調整を依頼したい」など目的を相手に伝えることで、より効率的なやりとりが可能になります。
- I look forward to hearing from you soon. - ご返信お待ちしております。 
- Should you have any questions, please contact us at any time. - ご不明な点がございましたら、いつでもご連絡ください。 
- Thank you for your cooperation. - ご協力ありがとうございます。 
- Thank you in advance. - よろしくお願いいたします。 
 
⑥ 結語
日本語のビジネスレターに用いられる、「敬具」や「かしこ」にあたる結語(Sign-Off)が英語にも存在します。
いくつか表現があるので、シチュエーション別に適切なものを選んで使いましょう。
フォーマル
- Yours sincerely, 
- Sincerely, 
ややフォーマル
ビジネスでは Best regards, もしくは Kind regards, が最も多く使われます。Kind regards, は Best regards, よりもフォーマルかつ丁寧な印象があります。
もっとビジネス向けのメールの締め・結びの言葉を知りたい!という方はこちらもお読みください。
 
⑦ 差出人名
英文ビジネスメールの末尾には、差出人名として自分の会社名や名前、連絡先などの情報を記載します。
日本語とは順番が逆で、英語では以下の順になるので注意しましょう。
- 個人名
- 役職
- 部署名
- 会社名
- 会社住所・郵便番号
- メールアドレス
- 電話番号・(ファックス番号)
- 会社WebサイトURL
 
具体例
Hiroshi Tanaka (Mr.)
Sales manager
Overseas Sales Department
ABC Corporation
123 ABC, Shinjuku, Tokyo, Japan, 160-0000
h.tanaka@example.com
+81(0)3-1234-5678
URL:https://…
なお外国人にとって日本人の名前で男性か女性かを見分けるのは難しいものです。そのため上記のように名前の後に自分で(Ms.)と記載する方法もよく用いられます。
ちなみにそこまで改まらない場合や、何度もやりとりしている相手であれば、個人名だけでもOK。
ただ通常は上記を署名としてあらかじめ全メールに記載されるよう設定することが多いですよね。その際の参考にもしてください。